最初は乗り気じゃなかったのに、幼馴染に連れられていった秋葉原の雰囲気にやられ、いつの間にかオタク道一直線。好きなアニメのキャラクターフィギュアを集め出したらはまってしまい、それを通じて仲間も増えた。誘ってくれた幼馴染よりも秋葉原にどっぷりつかっていって、フィギュアを手に入れるために秋葉原やその他に出かける他は、家でフィギュアを眺めて過ごすようになった。
好きなキャラクターが集まってくると、自慢のコレクションを綺麗に飾りたくなり、飾ると足りない部分も見えてくるからまた欲しくなり、コレクター熱は更に増す。どんどん部屋がちょっとしたミュージアム化してきて、今度は留守の最中に誰かが勝手に入らないか、心配になりすぎて引きこもりになってしまった。
Amazonで購入したコレクションケースや棚にフィギュアを並べ、画像を撮ってはネットにアップ。同じ趣味のネット上の仲間に賞賛されると、嬉しいと同時にまた、誰かに盗られないか心配になってくる。フィギュアを買いに行きたいが、空き巣も心配。三次元の女には全く興味を持てなくなり、二次元と人形ばかり愛するようになってしまった。古書店まんだらけでは、27万もするブリキ製玩具鉄人28号が万引きされたと、一時期テレビでも話題になっていた。まんだらけはお店だが、同じコレクターとしては、万引きなんて、決して許せない行為だ。
自分の将来の心配をするよりも、大切なコレクションを奪われないか、空き巣の心配ばかりしている俺。自分で付けられる補助の鍵を増やしてみたり、外出先からもコレクションたちを監視できるIPカメラなるものも設置したが、防犯にはそれなりの費用をかけているお店でさえも盗まれる時は盗まれるのだ。鍵を壊されたら終わりだし、外出先でIPカメラで侵入者を確認しても、フィギュアたちを守るために帰宅する頃にはもう、時既に遅しだ。俺が引きこもりになるのも、仕方ないことだろう。